ブロマンスドラマの禁止で中国のソフトパワーはどれだけ低下するのか―米華字メディア

Record China    2022年1月13日(木) 22時20分

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中国でブロマンスドラマの「全面規制」が物議を醸す中、米華字メディア・多維新聞は「ブロマンスと娘炮を禁止したら中国のソフトパワーはどれだけ低下するか」との記事を掲載した。

中国でブロマンスドラマの「全面規制」が物議を醸す中、米華字メディア・多維新聞は11日付で「ブロマンスと娘炮を禁止したら中国のソフトパワーはどれだけ低下するか」との記事を掲載した。

■「ブロマンス全面規制」に衝撃

「ブロマンス」とは男性同士の近しい関係を指す言葉。近年中国でこのブロマンスをテーマにしたドラマが人気を博している。中国ではこれまでボーイズラブ(BL)など同性愛を「異常」として扱ってきた。ブロマンスはそれに比べてややソフトではあるが、昨年から徐々に規制が強化された。

ブロマンスと共に昨年から規制が強化されているのが「娘炮」だ。これは「女性っぽい男性」を表す言葉で、いわゆるジェンダーレス男子を指す。昨年、当局が「奇形の美意識」だと断じ「断固根絶」を目標に掲げると、男性芸能人が相次いで「男らしさアピール」に走ったとも報じられた。

そして、今年1月6日に行われた全国放送・テレビ業務会議で、北京市広播電視局党組書記の楊爍(ヤン・シュオ)氏が「ブロマンスをテーマとするネットドラマを全面中止にする」と発言したことで、大きな衝撃が走った。多維新聞の記事は、この発表への中国での反応として「半分が悲鳴を上げ、半分が賛同した」と伝えた。

■台湾にも影響力を持つブロマンス、なぜ規制?

記事によると、かつて台湾では中国のテレビドラマや映画もよく見られており、中国のスターについてもよく知られていた。ただ、中国人スターの追っかけになることはほとんどなかったという。

しかし、ブロマンス時代劇が次々とヒットしたことによって変化が起きた。「陳情令」でシャオ・ジャン(肖戦)やワン・イーボー(王一博)が、「山河令」でゴン・ジュン(龔俊)らが次々と人気になり、政治を越えて台湾でも多くのファンを持つようになった。シャオ・ジャンは最近、人民解放軍にオマージュを捧げるドラマ「王牌部隊」に出演しているが、台湾でも視聴者が少なくないという。

そのため、中国政府がソフトパワーの重要性を説く一方で、若者に人気の娯楽をたびたび圧迫しているのは矛盾しており、中国のソフトパワーが低下するのではないかと疑問視する声も出ている。しかし記事は、「こうした疑問は社会主義国家においてメディアや映画が一体どういう役割なのかという根本的な問題に過ぎない」と指摘する。

■ソフトパワーよりも重視されるもの

記事は「あるムーブメントが中国以外の場所にも波及することはもちろん良いことだ。だが、このムーブメントが自分たちのためにならなかったり、あるいは『行きすぎ』と判断されたりすると圧力をかけられる」とし、「ここでは『輸出できるソフトパワーの影響力』は考慮される主要な項目ではないのだ」と述べた。

その上で、「中国の中央政府には文化の流れをリードする独自の原則がある。ブロマンスドラマが氾濫し、物腰の柔らかい男性が増えていることへの不満もその一つ」と分析。「中国の伝統的な認識ではやはり男は男らしくなければならず、男性同士の微妙な関係は青少年に悪影響を及ぼすとみなされる」と説明した。

また、ブロマンス規制の背景には、中国で芸能人の脱税が相次いでいることや、サクラによるネット世論操作など資本による大きな問題が発生していることもあるとも指摘した。

■海外への影響力、あれば喜ばしいがなくても構わない?

記事は、「社会主義国家では、資本であれ、メディアであれ、映画やテレビやエンタメであれ、その核心は政治に奉仕することである。中国の主旋律に導くことはスターたちの最も核心的な任務だ」とし、「資本がどれほど大きくても、発展がどれほど急速であっても、中国は依然として社会主義国なのである」とした。

そして、中国のソフトパワーは低下するのかといった疑問や、ドラマやバラエティー番組がつまらなくなるのではといった疑問は、過去に中国当局がタイムスリップドラマや宮廷闘争ドラマを規制した際にも浮上しており、実際にどうなるかは時間だけが証明することだと指摘。

中国政府の理想としては「主旋律」に沿った上でプラスのエネルギーになるドラマやバラエティー番組の質が高まり、若者から愛され、次々と爆発的ヒットが生まれることだとする一方、(規制による)「望ましくない状況」はせいぜい(エンタメ業界の)発展が遅れることであり、海外からの人気や影響力は「あれば喜ばしいがなければ努力を続ける」という程度の副次的なものに過ぎないのであると論じた。(翻訳・編集/北田

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